わたしの足はギリシャ型

あうくつがない

恋をして 仕事して 何もしたくない

史上初とも思われる暖冬、みなさんいかがお過ごしですか? 私は年末に仕事を辞めて失業保険の認定待ちをしています。いわゆる就活ニートってやつなのか。ハローワーク通いは一回目で心が折れそうになりもっと早く経験しておけばよかったと思いました。

 


思えば一昨年の秋、就労移行に通っていた当時の自分に恋人が出来、新幹線は通過するが特急じゃないといけない距離に住んでいるため会うためだけにお金がいるやんと一念発起し受けた面接で合格を勝ち取り一年間仕事に励んでいました。

予定では今もその仕事をしていて、数ヶ月に一回デートもしていたはずなのに、何故か私は仕事を辞めて家で燻っています。

仕事は好きだった、とくに不満はなかった。

多分太陽のせい。

昨年の酷暑で色々おかしくなってしまってある日の朝、今日着るべき服がわからなくなって気づいたら泣いていた。

今思っても、そして今もなんだろうけどうつなんだと思う。治ったと思っていたうつが結局治ってなかったんだと思う。

それから風呂や歯磨きなどの日常の行動も億劫になり、肌は元々荒れてたがさらに荒れ、数ヶ月間は文字通りの"無"を過ごしていた。本当に何もできなかった。

ただ電話越しで恋人の声を聞いてる時は割と元気になれた。だけど何もできなかった。知り合った当初は彼さえいればなんでもできると思っていたのに、それが思い過ごしだと知り本当に絶望した。彼にはそれを知られたくなくて元気に振る舞ったし、これからの事もなんとなく口にしていた。そしてそれがとても申し訳なかった。

職場に辞める挨拶をした日の帰りに、一応資格でも取ろうと買った登録販売者の教本があるのだが、開かずにそのまんまにしている。

今でこそお風呂は毎日入れるようになったし歯も磨いてるが、マジで私は登録販売者を取って薬局で働くのか?と考えたらよくわからない。

 


思えばこの一年、好きだったものがさほど好きじゃないんじゃないか、そもそも好きとは何かなど謎の自意識に襲われて全く物事に興味が湧いてもすぐにどうでもよくなっていた。

約一年前にハマったユニットのクリーピーナッツも夏の暑さにやられる前まではそこそこ聞いてたけど、オールナイトニッポンを熱心に聞いてる人間ではないので(まず放送していない)話題にノレなくなったし、YouTubeなどで流れてるラジオ音源を聞いてみても、YouTubeを長時間開いていられないから途中から全く聞く元気になれなかった。

10代から好きで好きで仕方なかったイエローモンキーのチケットも一応取ろうと思ったけれど、一度退会したファンクラブに加入するのを忘れ、一般枠で取るのがなんとなくシャクで、すぐに諦めてしまった。お金もないし。

 


チケット代の1万円があれば家具が買える。小学生の時にクリスマスに買ってもらい今は全く趣味じゃない猫足のローテーブルを買い換える事もできるし、ごちゃごちゃな机の上をきれいにするためのデスクワゴンも買える。

壊れた手芸道具を入れる工具箱だって買えばお釣りが出る。ずっと欲しかったブランドのワンピースには足りないけど、そのブランドのアウトレットのワンピースなら買えるかもしれない……。そう考えるとよくわからなくなって、本当の欲しいものとは? とごちゃごちゃと考え込んでしまう。そういうことならばチケットを買えばよかったね。生でロビンを見ておけばよかったよ、と今は思う。でも、なんかその気になれなかったんだよね……。

結局じっとスマホを見る。

 


今してるSNSTwitterInstagramだけれど、インスタはちょこちょこと友達がいて、割とおすすめアカウントにも出てくる知り合いやら昔の同級生が多いけど、みんな結婚なり出産なり出世なりしていてそれなりにいや、マジで焦る。

人生におけるイベントをことごとく持ち前のメンタルブレイクでスルーしてきた私にはこれらのライフイベントがやってくることはあるのだろうか。

10歳の時に25m泳げたらもらえる認定書(これがあれば夏休みに子供だけでプールに行ける)を20mしか泳げなかったけどみんな貰えてたからお情けで貰うような子供だったが、私の人生ずっとそんな感じなんじゃないだろうか。

恋人は優しい。会えなくても電話をくれるし、顔もタイプ通り越して理想だけど、このまんま彼の存在に頼っていてはいけない……。

というか、頼っていてはうまく行くはずがない。彼と話しててとても焦っている。好きなものはわからないとは言えども、彼のことはとても好きだ。だからブログを読まれて嫌われるかもしれない、そんな自意識もゼロではなかった。失うのが怖いのだ。

だけど何かをやらなければどちらにしろ彼は去ってしまうだろう。だから過剰な自意識はこの際捨てて正直に今の気持ちをここに置く。